あの頃へ〜音楽 (Ⅱ)
ドラムを習った。
小さな部屋に5〜6人、各自で練習して、順番に先生のフルセットでみてもらう。みんな大人で旨くて自分は場違いで困った。
そこでジャズに出逢った。
話をするようになった1人がジャズのカセットテープを貸してくれて…それまでBGMだと思っていたけど…肌にあった。
なにより距離感が好きだ。
20才の一人旅で京都のジャズ喫茶「しあんくれーる」を訪れた。ホッと席につくとクラッシックが流れていた。ジャズは2階だ。2階のジャズの曲はイマイチで長居しなかった。クラッシックが素晴らしかった。
しあんくれーるを出ると、近くのお店の前で二人の青年がバイクをいじっていた。話に加わり、誕生日ってことで市内をぐるっと一周乗せてもらった。初体験のバイク二人乗りで、しがみついていて景色は見えなかったが、ぶっちぎり爽快。誕生日は強い。
ジャズはずっと一緒だった。
友人に会いに海辺のバンド練習のスタジオを訪れるまで。
ドラムは…
スティックをベッドの間に隠していたがバレた。小遣いをレッスン代に当てている点に感動され、今後は家計から出してあげると言われ嬉しかったのに、習うことに冷めた。演るのは手に負えない、聴くほうにまわろう、と結論づけた。